poems

インターミッション

私が書いている詩は、ライトバースを呼ばれている形式で、軽い。
その一方で、象徴詩のような判り難い(本人さえも、何でこんなもの書いたの?)と思うものがある。
目指しているのは、短詩形なのだが、書いているうちに長くなってしまうのは、本当に残念だ。

自らの書いた作品を、振り返ってみると、

1.かんたんで人にもわかるもの。
2.もろ象徴詩
3.他人を設定した物語詩
4.うつのうた

なんてところだろう。
ボルヘスの言い分に影響を受けて、詩は感情で書くものでなく、頭で描くということを、出来るだけ念頭に置いてはいるが。
とくに、うつのうたは、書くことが難しい。

自分の体験だけでなく、うつの人から聞いた話や、経験談を取り入れているからだ。
ただ簡単に苦しいと書いてしまえばいいのだが、それでは作品にならない。
同じ仲間として、様々なうつの人の心を共有したいからだ。

もう少し、すばらしいと言われる作品が書けるのならいいのだが、今はこんなものでいいなと、思っている。
駄文、失礼。


17歳5

うつは時間の病なのだと
主治医が言った
確かにそうかも知れない
抗うつ薬が効き始めたのか
最近
学校の楽しかった風景が
あたしの目に焼きついて離れない
きっと
不安はあたしの心の中だけにある

でもこの不安な気持ちにままで
何処まで歩いてゆければいいのだろう
トルストイの童話のように
自分の必要な土地は
墓場だけなのだろうか
いいえ
そんな強欲にはなる自信はない
歩き疲れたら
またゆっくり休めばいい
苦しい心が
癒されるまで

明日は学校の
制服を
着てみようかな
ファッションショーみたいに
ただ
鏡を見つめるのが
なんとなく怖いあたしが
なんともいじらしく
恥ずかしいけれど

森とさかな29

「空」

サンテグジュペリの
知っている
青空は
きっと ぼくの知らない空だろう
そう
今 ぼくは空を見上げている
仕事と
急速の
あいだ で

こころの
おもたさや
かろやかさは
空の
見え方で
かわってくる

落ち着きのない日々の そのあいだに
ぽつんと取り残された
虚ろな


沈んでゆくこころが
都会のビル群をいちめんの
灰色に染め上げたと しても

そう
きみの空を
見たい

思う
きみの
冒険の果てに
知り尽くされた
あの
青空

そして それを
共有する方法

ぼくは
さがしはじめている

(森とさかな終了)
感想をコメントでお送りくだされば、幸いです。宜しく。

結晶

氷の結晶に
そっと手を触れると
冷たい感触が
掌の隅々にまで
拡がる
心地よさ

あの氷のぬくもりののような夏は
どこを彷徨っているのだろう
暖かな血流の
せせらぎに
包まれてねむる夜半は
満天の星の氷の結晶に覆われる

そして確かな
心音の鼓動とともに
夏空へと投げあげる
私といういきもののもつ
かけがえのない
ぬくもりとともに

ハレー

彗星の尻尾が
ぼくたちには見えた筈
ハレー彗星の再来から
あれから何年たつのだろう

ぼくは天体観測に山に登った
あなたはその上空に
君臨していた

溢れる感謝の念を
こころに刻み
動体となった星を見上げる

あなたと出遭って
人生も変わった
あの彗星はそんなぼくを
笑って見守っているだろう

色を踏んで

毎日
色を踏んで
生きている
灰色の道
緑の道
赤茶けた道
捨て猫が車に
撥ねられた
真っ赤な道
床の色彩
そうして人は
風景や
人の横顔や
空ばかりを
見ているのではない
のだろう
俯いたことのない
人はこの世に
ひとりもいない